2006 年 62 巻 3 号 p. 233-243
我々は自然に表情付けられた歌声表現を生成するための擬人化インタフェースとして,手人形を導入したシステム"HandySinger"を開発した。本システムは手人形インタフェースから得られるユーザの掌の動作に従い,表情付けの強度を連続的に変化可能な歌声を生成する。本論文では,表情の強度を自然に変化させるために,あらかじめ収録した特定歌唱者の表情のない歌声と表情付き歌声に対し音声モーフィング技法を適用する手法を提案する。手人形のジェスチャとして手の形状を逐次認識するために,手人形インタフェースは七つのピエゾ式曲げセンサと二つの圧力センサを固定した手袋を内包する。システム評価により,これらが機能して擬人化されたジェスチャ入力により歌声の自然な表情付けができることを確認した。