2006 年 62 巻 7 号 p. 500-508
複数の縦波振動子をアレイ素子として探傷面に直接配設した,横波斜角アレイ探触子を提案した。この構成では,くさびと試験体の境界におけるモード変換によらないで,個々の縦波振動子が直接横波を励振する形になる。しかしくさびを要しないことに付随して,試験体中を垂直方向に伝搬する縦波が励振され,妨害エコーになる恐れがあるが,この影響を軽減するための手法も考案した。2次元差分法シミュレーションによる検討を行い,その結果を踏まえてアレイ探触子を試作した。実験による特性評価を行い,本提案のアレイ探触子が,横波斜角探触子として所期の機能を有することを示した。