2008 年 64 巻 4 号 p. 183-195
音響学会の道路交通騒音予測モデル(ASJ RTN-Model 2003)では,自動車走行騒音のパワーレベル式として定常走行区間と非定常走行区間に対する2種類の式が設定されているが,一般道においては2種類の式の適用範囲が必ずしも明確になっていない。本研究では,交通流のショックウェーブ理論と筆者らが過去に開発した道路交通騒音の予測手法を用いて,定常と非定常走行区間の区分について検討した。その結果,信号交差点上流側はショックウェーブ理論で計算される信号待ち行列長の2分の1の地点まで,下流側は定常速度から計算される特定の距離までを非定常走行区間とする方法を提案する。この方法によって信号交差点付近におけるL_<Aeq>を精度よく推定できる。