日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
音場の実験モード解析型多入力多出力システム同定について
佐々木 陽鮫島 俊哉
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2010 年 66 巻 2 号 p. 56-64

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抄録

本論文は,音場のアクティブ制御系の設計において非常に重要な要素である,音場モデルの実験的なシステム同定手法について検討を行ったものである。特に,現代制御理論の枠組みの中で発達した状態空間モデルに基づくシステム同定手法である,特異値分解法を室内音場のモデル化に導入し,そのシステム同定特性に関する数値実験を行った。数値実験においては,特異値分解法と同様に実験モード解析の考え方を取り入れたモデル化手法であるCAPZモデルとの比較を行った。その結果,室内音場のモデル化において(1)比較的ピーキーな周波数特性を持つ音場の同定について精度良く同定できる,(2)多入力多出力系の状態空間モデルを直接導出できる,(3)間接的にではあるが,音場全体のダイナミクスをモデル化できる,(4)CAPZモデルに比べてより精度の高い同定ができる,(5)不安定極除去を行うことで,特定の帯域のみを位相特性を変えることなく同定できるという点において利点を有しているということが明らかとなった。

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© 2010 一般社団法人 日本音響学会
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