日本音響学会誌
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相反法による頭部伝達関数計測に用いる超小型動電型スピーカユニットの音響特性
今井 悠貴森川 大輔平原 達也
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68 巻 (2012) 10 号 p. 513-519

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抄録

相反法を利用することにより頭部伝達関数を短時間で計測できるが,そのためには外耳道に挿入する耳栓スピーカ用の超小型スピーカユニットが必要である。これまでこの耳栓スピーカとして用いられてきた超小型電磁型スピーカユニットは,低域の出力音圧が低く高域の指向性が強く,信頼性のある頭部伝達関数を計測できないという問題があった。そこで,一部の挿入型イヤホンに用いられている超小型動電型スピーカユニットの音響特性を計測し,相反法による頭部伝達関数計測用の耳栓スピーカとして用いることができるかどうかを検証した。音響特性を計測した2種類の超小型動電型スピーカユニットは,低域の出力音圧レベルは電磁型超小型スピーカユニットと同様に低いが,暗騒音レベル16dBの計測室において出力音圧レベルのSN比が0dB以上となるのは0.2mの距離で百数十Hz以上,1mの距離で数百Hz以上であること,高い入力電圧を印加したときの高調波歪が電磁型超小型スピーカユニットよりも少ないこと,周波数特性には鋭いピークやディップがないこと,低域では無指向性で高域の指向性は弱いこと,が分かった。これらより,これらの超小型動電型スピーカユニットは相反法による頭部伝達関数計測用の耳栓スピーカとして利用できることが分かった。

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© 2012 一般社団法人 日本音響学会
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