日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
頭部回転に頑健な両耳クロストークキャンセラ実現のためのラウドスピーカ配置選択法
韓 〓洙岡本 拓磨岩谷 幸雄鈴木 陽一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 10 号 p. 538-548

詳細
抄録

トランスオーラル系におけるクロストークキャンセラは聴取者の動きを考慮せず,伝搬経路の特性が時不変として設計することが一般的である。しかし,聴取者は自然な聴取環境でもある程度動きながら聴取しているため,微小な頭部回転などの動きに頑健なクロストークキャンセラが望まれる。そこで我々は,頭部が動いたときの両耳における信号ひずみを用いて微小な頭部運動に頑健なラウドスピーカ配置選択法を検討してきた。本検討では,選択法のさらなる高度化のために,この信号ひずみと逆フィルタ計算時の条件数を統合的に用いた選択法を検討した。計算機シミュレーションと実測実験の結果,信号ひずみと条件数がともに小さい配置を利用することが望ましいことが示された。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本音響学会
前の記事 次の記事
feedback
Top