日本国内の15大学の日本語を母語とする大学生,大学院生を対象にして日常的な発話のしにくさの自覚に関するアンケート調査を行った。調査は質問紙法により実施した。回答のうち,言葉や聞こえの問題がないと回答した1,831名を対象に分析した。その結果,普段の会話で発音がうまくいかないと感じることが「ある」又は「どちらかと言えばある」と回答した者は全体の31.0%であった。男女別に分析すると,男性の35.5%,女性の24.4%が普段の会話で発音がうまくいかないと感じることが「ある」又は「どちらかと言えばある」と回答し,発話のしにくさを自覚する人は自分の音声が聞き返されることが多いと感じる傾向があった。