2000年代以降、PCや電子機器のODM等で頭角をあらわしてきた台湾企業群も、近年、その成長にかげりが見られ、踊り場にさしかかっていることが指摘されている。本稿では、台湾企業における研究開発を支えるエコシステムとナレッジフローの変遷について、知財データにもとづく分析を行う。民間セクタからの特許の出願件数の活発化とともに、中国メインランドの役割にも変化が生じつつあり、単なる製造拠点としてのみでなく、先端的なR&D拠点としての重要性が増している。台湾における歴史的な技術移転の経緯も踏まえながら、R&D 戦略の変化の方向性について検討する。