主催: 経営情報学会
会議名: 2017年春季全国研究発表大会
開催地: 法政大学 市ヶ谷キャンパス
開催日: 2017/03/09 - 2017/03/10
本研究は、組織の余剰資源である組織スラックと技術導出が、イノベーション能力に与える影響を実証する。組織スラックには、過剰な費用を示す吸収されたスラックと過剰な流動資産である吸収されていないスラック、借入能力を示す潜在的スラックがある。化学企業のパネルデータによる統計分析の結果、組織スラックが研究開発費を増大させ、技術導出が研究開発費とイノベーション能力に正の影響を与えることも実証した。つまり、組織スラックの影響から生まれた新技術の導出による収益を研究開発に投資すれば、イノベーション能力が高まる可能性を示唆した。その結果、最も適切な新技術のみを自社導入でき、資源集中が可能となることも示唆された。