主催: 一般社団法人経営情報学会
会議名: 2019年秋季全国研究発表大会
開催地: 静岡大学 浜松キャンパス
開催日: 2019/10/19 - 2019/10/20
重大事故が起きると事故を起こした欠陥要因 (人や機器) 探しが支配的となる。福島原発事故においても様々な報告書や研究によって一部の原発関係者の過失が強く批判されている。このような従来型アプローチに対して、近年、要素間の相互作用に着目するシステムアプローチへの関心が高まっている。本研究では、福島原発事故前の原発の安全対策に関与した組織間の関係性に着目し、公開された調書の質的データ分析 (CAQDAS) を行った。分析の結果、「コミュニケーションと情報伝達の崩壊」と「役割と責任の混乱」が不十分な安全対策に寄与したことが判明した。また、安全対策が改善されなかったのは「失敗へのドリフト理論」と一致するものであった。