看護教育学研究
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原著
身体侵襲を伴う診療場面に存在する医師と看護師間相互行為パターンの解明
相楽 有美舟島 なをみ中山 登志子
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2018 年 27 巻 1 号 p. 67-80

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抄録

 研究目的は、患者の身体への侵襲を伴う診療(以下、侵襲を伴う診療とする)場面に存在する医師と看護師間相互行為パターンを解明し、目標達成する相互行為の特徴を考察することである。第1に、看護概念創出法を適用し、侵襲を伴う診療場面の医師行動を表す20概念を創出した。第2に、医師と看護師間相互行為を第1の結果と先行研究の結果「侵襲を伴う診療場面の看護師行動概念」を用いて分析し、相互行為の44要素および14機能を明らかにした。また、相互行為の現象を構成する要素の機能に着目し、相互行為7パターンを解明した。7パターンとは、問題未然防止による目標達成直進型、手段変更による目標達成直進型、目標達成過程と問題解決過程の並進を伴う問題解決型、目標達成過程の中断再開を伴う問題解決型、手段変更無効による目標達成過程の中断再開型、問題未解決下での目標達成過程強行型、手段無効と問題頻発を伴う目標達成過程断続型であった。考察の結果は、診療目標を達成する相互行為に①基本的な問題予防策を遵守する、②診療中の問題を確実に解決する、③目標達成過程を継続しながら有効な手段に変更するという特徴があることを示した。

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© 2018 日本看護教育学学会
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