システム農学
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研究論文
GIS-Weighted Overlayと正規化重み法によるスリランカ中央部におけるBeetrootの栽培適地判定
P.K.S.C. Jayasinghe町田 武美吉田 正夫
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2009 年 25 巻 1 号 p. 17-26

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抄録

本研究はスリランカ中央部におけるするビートルート(Beta Vulgaris)の栽培適地判定について正規化重み付けオーバレイ法を用いたGISを使用して行ったものである。スリランカ中央部はビートルートを含む野菜生産地帯である。ビートルートの栽培適地判定にはFAOの適地判定基準を基に、スリランカ農務省の適地判定基準と各種資料データを使用し、ビートルート栽培適地判定図を作成した。適地判定の要因としては、気象・地形・土壌要因が重要である。気象要因として雨量・気温(1961から1990までの年間平均気温)、地形要因として斜度、土壌要因として土壌pH・土性・排水性・土壌陽イオン交換容量・土壌有機物含量を使用した。ただし、雨量はビートルートの生育には十分であり、栽培適地判定の要因とならなかった。既存の地形図および土地利用図をラスター化した主題図を作成し、茶園・ココナッツ園・密な森林・岩石地帯・氾濫原の場所を確定して、それらの地帯をビートルート栽培制限地帯とした。適地判定の要因として、重要度の高いものから、気温・排水性・斜度・土壌pH・土性・土壌有機物含量・土壌陽イオン交換容量の順とし、正規化重み法により各要因の重み付けを行った。最終的な判定基準は、大変良好、ほぼ良好、栽培可能、不適の4段階に分類し、ビートルート栽培適地判定図を作成した。研究対象地域の49.96%は栽培制限地、7.47%は大変良好、31.55%の土地はほぼ良好、11.02%は栽培可能地と分級された。作成された適地判定図には、不適地はなかった。

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© 2009 システム農学会
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