システム農学
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研究論文
ラオス南部における森林政策による焼畑農業への影響
淺野 悟史水野 啓小林 愼太郎
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2011 年 27 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

本研究は、焼畑抑制のための森林政策が、ラオス南部の焼畑農業に与えた影響を明らかにする目的で行われた。筆者らはラオス南部、チャンパサーク県内に対象村を設け、県森林局や村の代表者への聞き取り調査によって対象地域に効力をもつ森林政策を把握した。その結果、政府は土地利用規制という方法で焼畑抑制を行ったのに対し、県行政は換金作物としてチーク林業を推奨し、焼畑跡地への造林と現金収入機会の拡大を目標としていたことが明らかになった。さらに、対象村において世帯ごとの悉皆質問紙調査を実施した。その結果、政府の行った土地利用規制に対する村人の理解度はかなり低く、規制を無視した焼畑農業も継続されていた。一方でチーク林業は受け入れられており、チーク林業の拡大のために焼畑跡地が転用されていた。その結果、焼畑休閑地が消失し、次の焼畑地獲得のためには森林伐採が必要になるなど、森林政策の影響により焼畑農業のシステムが変化していることが明らかになった。

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© 2011 システム農学会
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