The Journal of JASTRO
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CRを用いた照合写真の検討
佐藤 洋
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2002 年 14 巻 3 号 p. 147-152

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抄録

リニアックグラフィで得られるリニアックグラムには, 確認写真と照合写真の2つがある.確認写真については, CR法が確立されている. 一方, 照合写真については, 治療直前にEPIDによる照合が積極的に取り入れられている. しかし, 日々の照射中に写真を取得ずるCR法については確立されていない. CR法による照合写真の目的は, 特定の照射部位や照射方法に対する照射位置決め精度の確認を行うことである.
従来から, リニアックグラムは, 低解像力に問題があった. そこで確認写真では, フロント側の金属板としてヘビイメタルシート (heavy metallic sheet: HMS) を使用し, バック側には密着用スポンジを装着し, イメージングプレート (imaging plate: IP) とHMSを密着させる. それにより解像力を向上することができるようになった. それに関する貴重な報告が行なわれている. このとき使用する炉の型式は, 高感度のST-III型である.
同様に, CR法による照合写真も, 確認写真の撮影手法を導入することで, 低解像力を解消することができる. しかし, 照合写真は治療投与線量を用いるため, 高感度である確認写真用IPのST-III型では, 画像形成は困難である. その結果, 低感度でかつ高解像力である乳房用IPのRR-V型の使用が, 照合写真の画像形成に有効であるとの結果が得られた.
また, 画像処理パラメータの中の1つであるGSパラメータを変化させることで, 適正画像への補正が可能となった. さらに, より大きな治療投与線量の場合, 滅弱板で線量を減弱すれば画像が描出可能な線量域内形成されるため, 適正画像を得ることも可能となった. この減弱板として, 高原子番号で減弱率が大きく, 入手加工のしやすい鉛 (Pb) を用いた.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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