抄録
事業変革についてビジネスモデル (BM) という概念枠組を用いた検討が近年進められている。そこでは、BMの硬直性を前提に、既存BMからの独立性を担保して探索・構築される代替的なBMへの移行という一時的な変化プロセスが中心的に検討され、その先行要因の探索が進められてきた。その一方で、BMが継続的にそのアーキテクチャを変化させうること(継続的なBMIの存在) を指摘し、その組織的な先行要因の解明を要請する研究も散見される。本稿ではこの要請に従い、継続的なBMIを可能にする組織的先行要因の探索を目的とした組込事例分析を試みた。この分析からは、11の組織ルーチンに基づく5つの組織プラクティスが明らかとなった。この結果からは、既存BMのもとで継続的なBMIが可能であることが明らかとなり、その組織的先行要因が、一時的なBMIのそれと異なる構成を有することが示唆される。