2025 年 5 巻 1 号 p. 44-53
本研究は、高齢者のためのVRエクサゲーム設計を目的とし、Fittsの法則に基づいて上肢挙上動作特性を検証した。VR環境内でのポインティングタスクにおいて、ターゲットが表示されてから参加者がトリガーボタンを押すまでの動作時間を測定したが、バーチャルハンドの当たり判定(コライダー)の位置が指の根元にあったため、高齢者でFittsモデルへ十分に適合しなかった。この課題に対し、ターゲット半径に余剰距離(0.05 m)を加えて動作終了の基準を再定義した結果、高齢者のFittsモデルへの適合度が改善し、より正確な動作時間の評価が可能となった。その結果、高齢者の動作時間は若年者の約2倍であることが明らかとなり、特に頭上方向のターゲットで顕著な遅延が認められた。これらの結果は、高齢者の筋力や運動制御能力低下を考慮したVRエクサゲーム設計や効率的なリハビリテーションプログラム開発に貢献すると期待される。