2011 年 9 巻 1 号 p. 16-24
テレワークは様々な就労環境に柔軟に対応出来る可能性を持つ働き方の1つであることは誰もが認めるところである。しかし、未だテレワークへのイメージは「常時テレワーク」「普通に働けない人のための働き方」であり、浸透していない。これは「テレワークに関する教育」が不十分であることに他ならない。以前より筆者はこの「テレワーク教育」を行う機会は大学教育であることを主張しており、テレワークを用いた業務遂行環境を擬似的に体験することで一定の効果があることを指摘している。現在もこのような体験が可能な実習型授業を開講しており、情報システムの開発を数人のプロジェクトで行うことで、部分テレワークを併用した業務環境の疑似体験を行った上で、テレワークへの意識教育となる試みを進めている。そこで本論文では、最近の授業アンケートデータや参与観察を基に、テレワーク教育が学生に対してどのような影響を与えているかを時系列での変化の有無も含めて考察した。あわせて、教育の限界についても言及した。