現代監査
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会計プロフェッションの自主規制と公的機関による外部規制
過剰な規制とその帰結
福川 裕徳
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2023 年 2023 巻 33 号 p. 87-99

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抄録

今日,会計プロフェッションを巡る規制が過剰になっているのではないかとの指摘がみられる。

本稿では,過去約20年間にわたって,会計プロフェッションを巡る規制がどのように,どの程度強化されているのかを,外部規制と自主規制の両面から明らかにする。特に,監査実務指針と倫理規則の分量の時系列的な変化をみることで,一貫して規制が強化される流れにあることを示す。

さらに,そうした規制の強化がどのような弊害をもたらしうるのかを論じるとともに,特に優秀な人材の確保という問題に焦点を当て,公認会計士試験受験者の動向および(大手)監査法人所属率等のデータから,会計プロフェッションが優秀な人材を惹きつけられなくなっている可能性があることを示す。最後に,会計プロフェッションを巡る規制を対象とする研究の課題を,データの入手可能性,規制のコスト・ベネフィットの範囲と測定,関連する他の要因のコントロールの観点から検討する。

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© 2023 日本監査研究学会
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