本研究では、擬似温暖化手法を用いてWRFによる2000年代および2050年代の夏季の気候解析を行い、東京と仙台の将来の熱中症リスクを推定した。また、熱中症リスク評価で用いる日最高WBGTと熱中症による救急搬送率の関係から、熱中症リスクカーブを2週間ごとに作成することで人間が暑熱に順応する影響を加味した。気候解析の結果、WBGTの上昇量は東京より仙台の方が大きく、両都市とも全域でWBGTは上昇し、特に沿岸部での上昇が顕著であるという予測結果が得られた。結果として両都市ともに、2050年代の夏季の熱中症リスクが2000年代の2.4倍程度となった。東京では沿岸部で、仙台では県北内陸で、新たに熱中症リスクが発生するという結果となった。