p. 151-152
地球温暖化による海面水温の変化が台風に影響を与えて年最大風速の極値分布が変化する可能性がある。フルトラック型台風シミュレーションでは海面水温の影響を受けた台風の発達を疑似的に再現し、日本に襲来した台風のデータを抽出することで、海面水温が極値分布に与える影響を推定できる。しかし、計算する台風の経路が長いことから誤差が蓄積しやすく、従来の方法では台風の強度が低く見積もられていたため精度評価は重要である。本研究では、従来モデルでは乱数に寄与する部分が大きかった中心気圧低下量のモデル等を改善した。そして、提案するモデルと従来のモデルを日本の各地点で観測値との比較を行い、中心気圧低下量を観測値に近づけることを示した。