日本鳥類標識協会誌
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論文
屋上へのコアジサシSterna albifronsの繁殖誘致に関する要因
早川 雅晴Jeffery A. GORE
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1997 年 12 巻 2 号 p. 41-52

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抄録

 コアジサシの屋上への営巣地誘致は,周囲に緩衝区域が必要ないため,地上の営巣地に比べ狭い土地でも活用効率が高いため,地価の高い日本の沿岸部では十分検討に値する.さらに繁殖成功率も高いことが予想されるため,非常に有効な方法と考えられる.屋上への営巣地誘致に当たっては,以下の条件が重要である.
1.明るい色の砂利が敷いてあること.
2.ヒナの落下防止や直射日光を遮るために高さ20cm位の壁で囲まれていること.
3.千葉市美浜区では,500巣程度のコロニーサイズがないと,捕食者から卵やヒナを防衛することはできない.500巣のコロニーサイズ維持に最低でも屋根の面積が17,000m2(17ha)以上必要である.
4.捕食者対策,特にカラスの個体数のコントロールを検討すること.
5.餌場となる水辺が近くにあること.

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© 1997 日本鳥類標識協会
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