2005 年 18 巻 1 号 p. 9-15
2002年5月から10月までの間に北海道石狩市の石狩川河川敷で捕獲されたアオジ282個体について,脂肪量指標の判定と体重測定が行われた.
皮下脂肪は,繁殖期(5~8月)およびその後の換羽期(9月)では少ないが,渡り期(10月)には増加が見られた.渡り期において,捕獲時点で脂肪蓄積がほとんどない個体もいることなどから,北海道から渡るアオジは短距離の移動とエネルギー補給のための採餌とを繰り返しながら渡ると推察された.脂肪量指標が同じであっても個体ごとの体重にはばらつきが大きく,脂肪量指標上昇に伴い有意に体重が増加したのは,2段階以上脂肪量指標が上昇した場合であった.