日本気管食道科学会会報
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特集 1 シンポジウム 1 : 下咽頭癌の治療戦略
下咽頭癌の早期診断の可能性
渡邉 昭仁辻榮 仁志谷口 雅信細川 正夫
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2005 年 56 巻 2 号 p. 86-89

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抄録

下咽頭癌の多くは進行癌になるまで症状がでづらく, 結果的に最初の診断時でも進行癌として診断される割合 (70~80%) が多い。しかしながら, upper aerodigestive tract等の扁平上皮癌治療の既往のある症例等, ハイリスク症例に対して内視鏡を用いたスクリーニングをすることで早期下咽頭癌が診断される可能性がある。当院では食道癌症例に対して定期的に頭頸部癌のスクリーニングを行っている。
この報告の目的は食道癌症例の治療前後に定期的頭頸部癌スクリーニングを行い, 早期下咽頭癌診断に有効であるかを検討することである。
1995年5月から2003年12月までに当院で診断治療された1,790例の食道癌症例を対象とした。これらの80症例に下咽頭癌が重複していた。下咽頭癌による自覚症状がなく, 定期的頭頸部癌スクリーニングで診断された症例は63例であった。これらの臨床stageはstage I : 43例, stage II : 14例, stage III : 3例, stage IV : 3例であった。stageIとIIを併せた症例は63例の90.5%にあたる57例に認められた。
食道癌症例を定期的に頭頸部癌スクリーニングすることで早期の下咽頭癌が診断可能であった。

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