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日本気管食道科学会会報
Vol. 56 (2005) No. 5 P 424-430

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http://doi.org/10.2468/jbes.56.424

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全世界で禁煙運動が繰り広げられている中, ニコチンパッチ置換療法が効果をあげてきている。禁煙外来における本療法の成績と問題点につき検討した。
2001年9月~2004年7月までに禁煙外来に受診した93名を対象とした。このうち約2週間の節煙期間を置いた上で, 約2カ月間のニコチンパッチ置換療法を施行したのは59名 (63%) で, 禁煙開始後1カ月目, 3カ月目, 6カ月目, 12カ月目の4点で呼気COガス濃度測定を行い, 禁煙達成率を調べてみた。
置換療法施行群の禁煙後1カ月, 3カ月, 6カ月, 12カ月の禁煙達成率は, それぞれ65%, 50%, 42%, 37%と徐々に低下し, 禁煙12カ月後の禁煙達成者は, 本療法実施者の約1/3と少なかった。一方, 2週間の節煙後にニコチンパッチ置換療法を施行しなかった34名は結局禁煙できなかったが, 初診時呼気CO濃度20~29 ppm : 9名, 30 ppm以上 : 14名と, 初診時CO濃度がニコチンパッチ施行群に比べて高い例が多かった。
ニコチンパッチ置換療法による禁煙達成率は, 短期観察では良好であったのに, 長期観察では低率となった。医師による厳重な初期観察をはずれると, 再喫煙する者が多いことは, 喫煙の健康被害についての啓蒙教育がいまだ不十分であることや, 非喫煙家族あるいは友人からの精神的サポート, 医療者側のサポートが欠かせないことが示唆された。

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