2016 年 67 巻 6 号 p. 418-422
症例は85歳の男性。主訴は義歯の誤飲。前医にて頸部CTを施行した結果, 下咽頭から頸部食道に義歯が存在し, 上部消化管内視鏡検査にて摘出を試みるも困難であったため当院に救急搬送された。右梨状陥凹に義歯の一部が確認でき頸部CT 画像上, 義歯は頸部食道まで達していた。視診上右披裂部の浮腫を認め, 今後増悪することが予想されたため気管切開術を局所麻酔下に施行後全身麻酔とし, 電子内視鏡を用いながら彎曲型咽喉頭直達鏡を用いて義歯を摘出した。術後は下咽頭に一部粘膜損傷を生じたが明らかな穿孔所見を認めなかった。