2018 年 69 巻 1 号 p. 1-6
GPSは食道癌を含むさまざまな固形腫瘍で予後因子となり得ることが報告されている。しかし,食道癌再発例におけるGPSの意義に関しては不明である。今回,食道癌術後再発例を用いて,再発時のmodified GPS (mGPS) と予後の関係について検討した。対象は2010年4月から2016年12月までの52例の食道癌根治術後再発例とした。これら症例の病理組織学的所見や再発時期,予後とmGPSの関係を検討した。mGPS 0は31例,mGPS 1,2は21例であった。mGPS 1,2は複合再発例が多く (p<0.05),再発時症状を有している症例が多かった (p<0.05) 。再発診断までの期間には差がなかった。全例の生存期間中央値は293日で,mGPS 1, 2がmGPS 0に比べて有意に悪かった。食道癌術後再発例の再発診断時のmGPSは再発形式と関連し,予後規定因子になり得る。