画像のコントラストを強調する従来手法の多くは, 原画像の輝度ヒストグラムに基づく輝度変換曲線を生成して, 原画像の各ピクセルの輝度を変換するものであった.その際, 評価関数を定義して, その評価値が高くなるように輝度変換曲線を生成していた.しかしながら, 被験者が画像から受ける印象, つまり画像に対する評価は主観的なものであり, 定量的な関数で表現することは困難である.本研究では, 主観的な評価に基づき入出力関係を形成する自己組織化関係(Self-Organizing Relationship:SOR)ネットワークを提案し, 被験者の好む輝度ヒストグラムと輝度変換曲線との関係を求める手法に応用する.7人の被験者に, 従来手法と提案手法により変換した画像を提示したところ, ほとんどの被験者が提案手法により変換された画像がコントラストに関して最も好みに合致すると答えた.