バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
Print ISSN : 1345-1537
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施設設計図から見た動線別リスク要因
山中 真根本 哲也伊藤 安海小井手 一晴高橋 雅樹安本 卓也松浦 弘幸
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 12 巻 1 号 p. 87-91

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抄録

近年、患者の無断外出に伴う医療事故は大きな社会問題として取り上げられている。その理由として急速な少子高齢化に伴う認知症などの無断外出に繋がるリスクの高い患者の増加や、入院患者層の変化に対して、病院や施設などの施設構造が、対応出来ていないなどの問題が考えられる。しかしながら、これら問題に対して有効な対策や調査方法は考えられていない。そこで、本研究では、比較的容易に手に入り、施設全体を俯瞰する事が出来る、施設設計図を基に設備構造上からみた無断外出に繋がるリスク要因と移動ルートを選別した。その後、設計図から見たリスク要因を基に、ルート毎の無断外出による危険度を階層分析法を用いて算出することで、施設毎のリスク要因と予防対策の対応順位を提示することが出来た。このことは、予防に関わる無駄を省き適切な対応策を取る事で、医療従事者への負担の軽減に繋がるとともに、病院・施設へ入院している患者の安全・安心に貢献できると考える。

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© 2010 Biomedical Fuzzy Systems Association
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