バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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力学的人体損傷に関する基礎研究-3 : 人体の衝撃力学とその物理量推定
松浦 弘幸伊藤 安海西井 匠久保田 怜久保田 正美中野 正博玉川 雅章根本 哲也Makoto YAMANAKA
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2011 年 13 巻 2 号 p. 71-78

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抄録

人体損傷は2つの主要な要因に分解される.その1つが外力と衝撃の大きさを規定する物理学的要因,そして,他方が損傷の個人差を決める生物・医学的要因である.その物理学的要因は,回転落下仮説を採用すれば,高さH,人体への外力の作用時間TC=2Δt,人体の受傷部分の質量m_x,そして,受傷面積(衝突面積)Sの4つの変数で単純に規定される.受傷者側の個人差とは,年齢,組織組成などの生物医学的要因になる.これらの4個の要因が計測されれば,外傷の解剖学的重症度であるAISやHIC等と組みわせる事により,平均的な最大重症度の評価が容易になされる.我々が提案する方法では複雑な生体物性値は,平均値としての衝突時間の計測という実験に集約される.従って,我々が計測すべき変数はΔtのみであり,さらに,応答を調べるだけ(応答時間)である.そのために,組織や対象物を破壊せずとも,微弱な力を印加して応答波形の立ち上がりと終了の時間差を知れば事足りる.この実験方法は壊れ易い組織や対象物にも適用が可能な優れた方式となる.

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© 2011 Biomedical Fuzzy Systems Association
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