2022 年 24 巻 1 号 p. 27-35
スーパーマーケットにおける消費期限までの残日数に応じた食品の割引は一種のダイナミックプライシングと考えられている.ダイナミックプライシングを伴う仕入戦略は既に検討されている.しかし,従来研究では消費期限は考慮されていない.そこで,本研究では消費期限を考慮したダイナミックプライシングを伴う仕入戦略方法を提案する.従来研究同様に提案方法では,マルコフ決定過程を利用して統計的決定理論に基づいて期待利益を最大化する.提案方法では,期待利益は動的計画法によって最大化される.提案方法の有効性を数値計算例で示す.提案方法による期待利益は比較対象の期待利益よりも大きいことを確認した.また,提案方法による適応的な選択も確認された.本研究は基礎研究であり,今後の拡張研究が必要である.