本論文は,消化器癌の予後診断の一方法について述べる。この診断に用いる情報は,ピンパーゼ酵素の値であり,まず,正常細胞と癌細胞に含まれるピンパーゼ酵素値を,従来のファジィクラスタリングと知的クラスタリングを用いて調べ,正常細胞と癌細胞の特異差を見いだす。知的クラスタリングは,従来のクラスタリング結果を参考にし,小さな領域を増加させながら,クラスタリングを行う方法である。次に,それらの差異から予後を診断するためのファジィルールを作成する。この時,ルールのファジィラベルのメンバーシップ関数の決定にもヒューリスティックな方法を使用する。この作成した予後診断ルールを用いて,癌患者の予後を診断し,本手法の有意性と有効性について検討する。