日本醸造協会誌
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解説
人の持つ酒造りの技術·技能の分析
武藤  彰宣
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2010 年 105 巻 11 号 p. 702-713

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抄録

これまでの研究では清酒醸造に携わる杜氏や熟練者が持つ技術や技能を継承するため,人間の知識工学的手法の一つであるコンピュータを用いたエキスパートシステムがこれまで利用されてきた。しかし技術のみならず技能を知識としてコンピュータ上で表現するためには「技能」の持つあいまい性を評価することが重要で,ファジィ理論を用いることでその目的を達成する可能性を見いだされた。しかし,これらはあくまでコンピュータという装置を使う必要があり,意欲のある万人が簡単に学習するには難解なところがある。今回,筆者はそれらの欠点を補い,技能の伝承と人材育成をより簡便に行うため,酒造りの原点である「ひとづくり」をより円滑に行う。学習方法の構築と酒造りの技術・技能の可視化を目的として,クドバス法による技術・技能分析を実施し,その有効性を検証した。

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© 2010 公益財団法人 日本醸造協会
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