2011 年 106 巻 1 号 p. 28-32
納豆は日本人がこれまで慣れ親しんできた伝統的な発酵食品である。そのスターターである納豆菌の歴史や酵素ナットウキナーゼの特性を同属の枯草菌と比較して分かりやすく解説していただいた。ナットウキナーゼ活性がきわめて高いことが納豆菌の最大の特徴であると述べておられ,Bacillus subtillis nattoがこれまで長く使用されてきたことが首肯できよう。なお,Codex委員会に納豆やテンペなどアジアの大豆発酵食品の国際統一規格化の動きがあることから,その動きをフォローする必要性も述べておられ,業界も是非参考にしていただきたい。