日本醸造協会誌
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研究
山廃酒母からの桿状乳酸菌の分離と特徴
藤原 久志北岡 篤士清川 良文髙倉 敏夫若井 芳則
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キーワード: 山廃酒母, 乳酸菌
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2013 年 108 巻 10 号 p. 767-777

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抄録

(1)当社山廃酒母から桿状乳酸菌LP-2を分離し,諸性質を分析した。16S r-RNA解析の結果,L. plantarumであることを確認した。
(2)LP-2と硝酸還元菌6102株,球状乳酸菌LM-1(L. mesenteroides),桿状乳酸菌LS-4(L. sakei)を用いて総米250gで山廃酒母小仕込試験を行った。その結果,LP-2を添加した場合,LS-4添加と比べて亜硝酸の消失と酸度の変化に差が見られた。
(3)山廃酒母仕込清酒の実地醸造にLP-2を使用した。山廃酒母においては,小仕込試験と同様の亜硝酸の消失と酸度の変化パターンを示した。また,このLP-2を添加した酒母を用いて醸造を行った清酒も,酸度においてLS-4と比較して有意に差が大であり,良質の清酒を製造できることが確認された。

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© 2013 公益財団法人 日本醸造協会
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