日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
解説
ワイン中のTCAが香りに及ぼす作用と仕組み
加藤 寛之
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 109 巻 6 号 p. 426-432

詳細
抄録

ワインのコルク臭や清酒のカビ臭の原因物質であるTCA (トリクロロアニソール) は、極低濃度で異臭として感じられることが知られている。コルク臭やカビ臭はワインや清酒の品質を大きく損ねてしまうが、TCAには「異臭」だけでなく、他の香りを感じなくさせてしまう強力なマスキング効果があるという興味深い結果が筆者らによって明らかにされた。運悪くコルク臭ワインやカビ臭清酒に当たってしまったら、他の香りがマスクされるか試してみてはいかがだろう。

著者関連情報
© 2014 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top