2014 年 109 巻 8 号 p. 557-564
近年の焼酎ブームに伴い,焼酎メーカーなど製造現場では蒸留廃液である焼酎粕の処理に苦慮しているのが現状である。とくに,焼酎粕は産業廃棄物とは言え食品由来の有機物であるため,それを肥料化や飼料化さらには醸造物として我々ヒトの健康維持の面で有効利用しようとする取り組みが各方面で行なわれている。本稿では,産官学連携型の高度循環型の醸造プロジェクト(ゼロエミッション)として筆者らが取り組んでいる,アントシアニン含有のムラサキイモとムラサキイモ焼酎粕の包括的な利活用に着目した研究内容について紹介いただいた。