日本醸造協会誌
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解説
醸造におけるポータブル旋光計の活用について
増田 達也小田 卓治野田 衛
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2016 年 111 巻 11 号 p. 701-711

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抄録

 並行複発酵を行う清酒醸造ではもろみの発酵過程を把握するために最低でもアルコールと比重(ボーメ)の2成分を測定する必要がある。実際には蒸米が溶けてブドウ糖に変化する工程も多様な可溶性の多糖類を経由する反応であり単純ではない。このような清酒もろみの成分の測定にはもろみの濾過から始まる比較的手間のかかる方法が行われている。著者らには簡便な測定器でもろみの発酵状態を把握する方法を紹介していただいた。旋光度は一般的ではあるが清酒醸造ではあまり採用されていなかった測定項目でありデータの蓄積により有効性が増していくことが期待される。

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© 2016 公益財団法人 日本醸造協会
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