抄録
空腹時血糖値が正常高値もしくは境界域型の健康な被験者24名を対象とし,麴甘酒を4週間連続過剰摂取(エネルギー379kcal,炭水化物88.5g)した時の安全性を検証するために無対照オープン試験を行った。インフルエンザ発症のため1名データ欠落が生じたが,1度でも麴甘酒を摂取した被験者を解析対象者とし,24名について解析を行った。その結果,副作用・有害事象は1例も認められず,血液生化学検査においても基準値範囲内の生理的変動の他に異常所見は認められなかった。一方で,血圧(収縮期・拡張期)降下作用を認めた。麴甘酒摂取の代償効果として摂取エネルギーおよび炭水化物摂取量の低下を認めた。以上の所見を総合すると,麴甘酒を4週間過剰量摂取した結果,特に有害事象が見られず,麴甘酒を1日あたり118g飲用することは安全性に問題ないと判断した。