日本釀造協會雜誌
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「メチールペントース」(「メチールペントザン」) の檢出反應及定量法に就て (二)
深井 冬史中島 和作
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1928 年 23 巻 10 号 p. 18-28

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抄録

一各種糖類をクレーベル及びトルレンス法に從ひ比重一・〇六鹽酸にて蒸溜し其蒸溜液に就きて「フルフロール」反癒並に「メチルフルフロール」反癒を檢し同時に「イヌリン」より得たる「オキシメチルフルフロール」に就きても同様の反癒を試み其呈色反癒の鏡敏度に就きて比較論究せり
二右三種、フルフロールLの定性檢出反癒として比較的鏡敏なるは「コレステリン」硫酸反癒なる事を確定したり
三「メチルペントース」の鹽酸溜液帥ち「メチルフルフロール」溶液は硫酸「バニリン」試藥に封し美紅色 (紫紅色) を呈し他の二種の「フルロール」溶液に於ては是と全く類似反癒を呈せざるを登見し該反癒を以て直ちに「メチルフルフロール」或は「メチルペントース」(「メチルペンかザン」) の定性檢出反癒として推奨し得る事を確定したり
四硫酸「バニリン」試藥は「メチ川フルロール」の〇・〇〇〇八% 溶液即ち其百分の八の濃度に於ても両ほよく一分時後明に紅色を呈するを認めたり
五三種「フルフロール」の「フロログルシツド」を作り数種有機溶剤に野する各個の溶解度を精査したる結果「アセトン」及び「エチールアルコール」を使用して三者を分離秤量し以て「ペントース」及び「メチルペントース」を定量する方法を設定したり
六各種糖類を燐酸にて分解し蒸氣蒸溜によりて溜出液を得て冬種の「フルフロール」反懸を槍したり終りに本實驗に關し終始御懇篤なる御指導を賜りたる黒野農學博士に深謝す

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