日本釀造協會雜誌
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白米の蛋白質除去試驗
上村 光男小松 眞一園田 孝
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1936 年 31 巻 12 号 p. a252-a263

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抄録

以上の結果を見るに
(1)浸漬液の種類はNaOHとKOHとにて大差なきが如きも大體に於てNaOHの方蛋白質除去能力強く有効なるが如し,尚本事實に關しては次項に於て更に詳細に試驗を行へり。
(2)浸漬液濃度は何れも高き程變敗を惹起し難く大體0.075規定(0.3%)程度を以て限界とし其以下の濃度に於て變敗稍著しきが如し。
(3)白米中の色素はアルカリ性溶液中にて黄緑色を呈し酸性液中に於ては無色となるを以て蛋白質抽出後微酸性下にて處理せる米粒は漂白せられて美麗なる白色を呈す。
(4)浸漬液量は多き程變敗し難く蛋白除去の目的に對しても有敷に働くものと推知せらるるを以て次に詳細に試驗せり。
(附記)以上のNaOH及KOHの外にNa2CO3(炭酸曹達)に就き試みたるも成績著しく不良にして試驗續行の意義なきを認めたるを以て試驗を中絶せる。
II浸漬液の種類と白米の脱蛋白度との關係試驗。

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