1939 年 34 巻 9 号 p. 884-888
一, 小麥の代用原料として臺灣産切干甘藷を小麥の五割及び小麥の七割五分代用仕込を行った。
二, 兩者とも切干甘藷を蒸強して脱脂大豆と製麹したが麹は上乘の成績であつた。
三, 兩者とも製品に格別の異臭を認めない。
四, 甘藷色仕込の際に現はるゝ製品の黒色調は認めない, 但し諸味は稍や汚黒を呈した。
五,五割代用の物は稍や甘味に富み七割五分代用は稍や酸味が多い。此方は味に稍やオシ味を鉄き淡白さを免れ得ない。
六, 截断機使用に依る小稈状の切干甘藷は蒸強法に依れば製品に異臭と異色を現はさない事は特筆大書すべきものと思ふ, 小麥の五割までの代用は他の代用原料と匹敵すべきものとして推賞する。