日本釀造協會雜誌
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醤油粕の利用に關する研究其の二
松本 憲次秋山 啓輔新沼 信一郎
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1943 年 38 巻 8 号 p. 599-606

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抄録

一、醤油捨粕を製麹する場合に撒布用として瀬二割位を添加したる撒水を使用した場合は成績が可良の様である。
一、鹽酸〇、二%の撒布用水を一割か二割位を捨粕に加用すれば成績が良い。
一、捨粕の麹菌繁殖助成物質としては燐酸加里とか硫酸アンモンニア又は炭酸加里等が効果がある。
一、捨粕麹の自己消化試驗で麹菌五四號 (本所) 及二〇八號 (本所) を使用し二者を使用し比較した第五四號菌の方が成績が良好である。瀬に鹽酸を加用し製麹したものゝ自己消化成績は良好でない。
一、一度製麹して仕込んだ捨粕麹、醤油粕は未だ二〇%前後の蛋白質を合有する繊維が可なり多くなるのが目立つのである。多少赤糠等を使用してゐるが捨粕麹使用醤油は純エキス一二-一三%全窒素〇・五%内外のものが得ちれた。
一、番水を仕込に使用する場合五割位の加用が結果がよく尚麹を少量に添加し加温速釀式方法によると調熟した製品に仕上げが出來る。
一、捨粕麹の仕込水として酒精癈液と魚汁を使用した前者は糖分が多いが後者は蛋白質分解が可良である。

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