1944 年 39 巻 11-12 号 p. 102-106
1) 葡萄搾汁粕に適當する麹菌種の選擇を行ひ, 其の繁殖状熊の肉眼的観察を爲し, 更らに酵素的方面より試験し生産したるアミラーゼ及プロテアーゼの作用力をも比較對照したり。
2) 葡萄搾汁粕麹浸出液を廢糖密液に夫々各分量添加して其の添加適分量を酵母繁殖數量により決定したり。約一割程度可良にして多量使用は數量を減する傾向あり。
3) 葡萄搾汁粕及葡萄酒粕の皮部及子實を夫々處理を更へ酵母培養液に添加し其の影響を試験したり。就中皮部及子實の炒蒸割碎して製麹し, 其の浸出液添加したるもの可なり良好なる成績を示したり。尚子實其儘は結果思はしからざるも炒熬割碎製麹したるものを使用する時は良好である。又葡萄搾汁粕皮部其儘は可なり酵母數を得たり。