抄録
(1) 普通仕込清酒醒の總米の2割餘に當る精製葡萄液原エキス36.6のものを留後15日目18日目 (高泡の末期から落泡にかけて) と二回に亙り添加し醸酵せしめたが普通醒と何等異る虜なく極めて簾に醸酵した。製成酒は瀧澤濃厚であつたが香風嚇二は何等の異状を認めす清酒メーター (-) 1.8酒精20.0%の濃醇酒となつた。
(2) 前記醸の醗酵途上のものに酒精を醒量の5割及10割添加したが5割添加は稍辛口ではあつたが香気良く味輕快に感じられた。10割添加は辛味顯著で薄味であつた。
(3) 熟成醗 (上槽直前) に2割5分, 5割添加したものは前者は味の調和良きも旨味乏しく後者は薄味にして酒精香を稍伴つた。
(4) 各製成酒の火持性は未熟酪10割酒精添加を除いて何れも良好で普通清酒に比較して何等遜色を認めなかつた。