1952 年 47 巻 1 号 p. 52-47
味噌製造に際して原料大豆に油分含有の必要可否に就ては完全な実験報告がなかつた醤油の場合に脱脂大豆を使用した際には2-3%位の油分が残留する位が良いと云われている。この点は油分が関係するのか斯様な程度に油分を残す様に脱脂大豆製造の時の物理的処理に関連するのか不明である。味噌に就ては抽出脱脂大豆中に2-3%位の残存した位のものが味噌の最近国家試験によつて良好な成績を示した事を報告してある。同時に3ケ月間短期醸造では丸大豆よりも優つておつたので油分か脱脂大豆になくてもよいということに見られた。然し時間を延長すると丸大豆とか半脱脂の豆雪の如きものは品質が脱脂大豆より良くなつた. と云われている。この考えから油分が脱脂大豆に残留することが必要か物理的状態に起因するかの一部の点を究明する為めに脱脂大豆の油分の微量含有するものに大豆油を補給添加して見てその味噌の品質を無添加標準の味噌と比較して見たのである。勿論小試験で一回だけであるから結論を下すことは無理であるが, 唯試験経過を報告する。