日本釀造協會雜誌
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官能検査における心理的効果の透明化に関する研究
佐藤 信
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1962 年 57 巻 10 号 p. 924-929

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抄録

官能検査に於ける実験条件を透明化するために実験を行い, 次のような心理的傾向を明らかにした。
1. 対比効果: 味覚のうすい試料の後で濃い試料を味見する場合よりも, 濃い試料の後でうすい試料を味見する場合の方が対比効果は顕著である。
2. 順序効果: 正の順序効果が有意であった。
3. 記号効果: 統計的に有意でなかった。
4. 記号の好み: 1から10までの数字について好みを調査したところ, その好まれ方の順は, 5, 3, 1, 7と2, 8, 6, 10, 9であった。
5. 連想の効果: 匂いの判断と色との間に顕著な関連性がみられた。
6. 採点法による判断の場合に慎重さによる誤差と練習効果が認められた。汚染効果は検出されなかった。
7.直線尺度を使用するとき, 尺度利用の方向性が観察された。

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