日本釀造協會雜誌
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北海道産米の酒造適性試験 (第5報)
精白米の沃度青色試験およびアルカリテストについて
赤井 隆高橋 正男山田 康郎
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1962 年 57 巻 10 号 p. 940-943

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抄録

1. 道産米の酒造適性を検討する一資料とするため, 白米粉の沃度青色試験および精白米のアルカリテストを行なって対照の酒造好適米兵庫県山田錦と比較した。
2. 白米粉の水抽出液の沃度青色反応による呈色度の比較では供試道産米の透光率 (T%) は対照の山田錦に比較して低い結果を示し, その中では栄光, 農林34号の透光率は高く, みまさり種は最も低い。
3. アルカリテス出こよる比較では, 危険率1%で供試6品種中, みまさり種のみ有意差が認められた。対照の山田錦が最もアルカリ抵抗性が強く, 崩壊性が小であり, みまさり種は最も抵抗性が弱く, 崩壊性が大である。
4. 前報までの酒造適性試験と対照して, 供試道産米中, 酒造米として最も期待がもてると考えられた栄光, みまさり両品種において, 栄光種は本報の試験においても対照の山田錦の性状に最も近く, みまさり種は反対に差異が最も大きい傾向が認められた。
終りに臨み, 終始御指導をいただいた当試験場長谷川吉郎食品醸酵部長に深謝いたします。

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