日本釀造協會雜誌
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味噌防湧法の研究
緒方 幹男
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1962 年 57 巻 7 号 p. 624-629

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抄録

味噌防湧法としてPG, SFE, DHA, DHA-Na, SA, HZ等について単独に麦味噌に添加して防湧期間を検討した。その結果いずれも単独使用では充分の防湧期間を得るには難点があった。
これ等保存剤を2種配合して防湧期間を検討したがPGとDHA-Naの配合でそれぞれ単独使用した場合よりも防湧期間を長く保つことが出来た。即ちPG2%DHA-Na0.02%を使用すると30日間防湧することが出来た。
米味噌と麦味噌では若干麦味噌が醗酵が早く起ったがこれは成分組成, 操作法による差違があるので画一的な結論は得られないように思われる。
又保存剤を加熱処理を実施すると防湧期間は更に良い結果が得られた。即ち100gの袋詰味噌の場合にPG2%DHA-Na0.02%添加し, 60℃2分以上処理すれば30日間の防湧が可能である。
尚実際には袋詰味噌は300g以上であり, 且つ熟成の度合, 成分組成, 配合割合, 貯蔵温度等によって防湧期間に差違が生ずるのでこれ等を考慮する必要がある。
この研究は昭和36年度日本醸造協会研究奨励助成金の交付を得て実施したもので厚く感謝の意を表する。

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