日本釀造協會雜誌
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北海道産米の酒造適性試験 (第13報)
精白米のアルカリ抵抗性及び沃度青色試験について
赤井 隆高橋 正男山田 康郎
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1963 年 58 巻 12 号 p. 1176-1180

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抄録

1.道産米9品種の精白米のアルカリ抵抗性及び白米粉の水抽出液の沃度青色反応の透過率について対照の本州産米5品種と比較, 検討を行なった。
2.14品種のアルカリ抵抗性は対照の山田錦が最も強く, 道産米中では紅光, 巴まさり, 南栄種が強く, 新雪, イワコガネ, 豊光種は弱い。
3.アルカリ抵抗性と精白度との関係は, いずれの品種も精白度が向上するに従って抵抗性が弱くなる傾向がみられる。
4.アルカリテストの判定値と浸米の吸水率の関係は5%有意水準の負の相関関係にあり, 蛋白質含量との関係は5%6, 白米表面の蛋白質/澱粉価の比率との関係は1%6有意水準の相関関係にある。従って, 浸米の吸水率の高い品種はアルカリ抵抗性が強く, また, 白米の蛋白質含量が少なく, 白米表面の蛋白質/澱粉価の比率の低くい品種も抵抗性が強い傾向がみられた。
5.14品種の沃度青色反応の透過率は品種間にかなりの差異を認めた。道産米中では栄光, 南栄種の透過率は低く, 巴まさり, 豊光, 新雪種は高い傾向を示した。しかし, 対照の関西地区産米に比較して道産米は一般的に透過率は高い傾向を認めた。
6.沃度青色反応の透過率と精白度との関係は, 精白度が向上するに従って透過率は低下する傾向を認めた。
7.沃度青色反応の透過率と原料成分, 浸米の吸水率及びアルカリ抵抗性との問には相関関係はない。
終りに臨み, 終始御指導を戴いた当試験場, 長谷川食品醗酵部長に厚く御礼申し上げます。また, 試験に協力を戴いた篠田技師及び助力された米村嘱託に感謝いたします。

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