日本釀造協會雜誌
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市販清酒を対象とした味覚判定の特徴について
高橋 幹雄
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1963 年 58 巻 12 号 p. 1200-1204

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抄録

市販清酒を対象とした場合に各種の成分が官能的な要因とどのような関係にあるか, 又, 官能的な各種要因の相互関係を啣酒実験によって検討した。
官能的要因の判定は51名という多数から成るパネルによって, 5段階の格づけによるプロファイル灘採用したが, この趣旨は, 極めて限られた専門家だけの判定でなく, なるべく広い範囲の酒造関係者も含めた判定を期待したものである。
この結果, 各種成分, 官能的な各要因の夫々の組合わせについて相関行列をつくった。
これによると, 組合わせによって有意な相関係数を示すものがあり, 官能的な各要因はある種の成分, あるいは他の要因によって影響されることを知った。
又, 官能的な要因は判定し易いものとそうでないものとあり, 啣酒の専門家と他の酒造関係者の判定の仕方にも大きな相関係数を示すものとそうでないものとあることを推定することが出来た。
以上は, 東北醸造研究会が主催して行なった市販酒研究会の各種データーから筆者が集計, まとめたものである。
集計に際して, 東北大学御園生博士, 高橋博士の御指導, 御協力をいただいた。厚く感謝いたします。また, 啣酒, 分析試験に御苦労された研究会々員および当鑑定官室諸兄に深く感謝します。

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